ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「大人は判ってくれない」フランソワ・トリュフォー

続けて、長編デビュー作「大人は判ってくれない」再見。仲たがいする両親と理不尽な教師との間に挟まれ、行き場を失った少年の孤独を癒してくれたのは、唯一映画を観ることだった。ジャン=ピエール・レオ演じるドワネル少年は、言わずもがな、かつてのトリュフォー自身だ。そして、この映画が、彼が生まれて初めて信頼した大人だったであろう「アンドレ・バザンの思い出」に捧げられている出来すぎた話にいつも胸が締めつけられる。