Editor's Record

観たモノ、読んだモノ、聴いたモノ。好きなモノの記録。

「お嬢ちゃん」二ノ宮隆太郎

詩人・茨木のり子は「自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」と書いた。「もはや/いかなる権威にも倚りかかりたくはない/ながく生きて/心底学んだのはそれぐらい」とも。「どいつも、こいつも、くだらない」と吐きだす主人公・みのりの苛立ちは、しごく真っ当で、美しい苛立ちだ。孤高な人はとてもカッコいい。そして、憧れる。いい映画だったなぁと、なんども、なんども反芻している。生きるって大変。でも、愛おしい。

映画『お嬢ちゃん』公式サイト

「流浪の月」李相日

魂と魂の揺るがない結びつき。そのことを信じてみる。そこから映画はスタートした。その李監督の言葉がこの映画の本質を物語っている。これは愛なのか、それとも、それ以上のものなのか。美しものなのか、汚れたものなのか。つまりは、信じるのか、信じないのか。すべては観る者の心に委ねられている。

映画『流浪の月』 公式サイト

「とんび」瀬々敬久

親だけが子育てしていると思ったら大間違い。知らず知らずのうち、人と人とのかかわりの中で、子供は成長し、強く、やさしくなっていく。支えながら、支えられながら、笑ながら生きていこう。そうか。親は海にならなきゃいけないのか。

映画『とんび』公式サイト

 

「三姉妹 -ThreeSisters-」イ・スンウォン

いけしゃあしゃあと平然と嘘をつく。ぎりぎりの状態で生きている三姉妹の叫びが、悲痛でもあり、美しくもあった。必死に生きることがこれほどまでに切実に響いてくるとは。日常的に暴力をふるう父と、それを見て見ぬふりをする母。その犠牲となるのはいつも子供たちだ。そんな社会に蔓延る負の連鎖を断ち切ろうとする意思がひしひしと伝わってくる。

三姉妹 - ThreeSisters - 公式サイト | 6/17(金)ロードショー!

ベストテン2022

2022年もあと2日。今年観た映画は85本。昔のような本数は観れませんが、その分、一つひとつの作品としっかり向き合えているような気がします。

さて、年末恒例の、特に印象に残った映画は、

「クイーン&スリム」メリーナ・マツーカス
「空白」吉田恵輔
「茜色に焼かれる」石井裕也
「1秒先の彼女」チェン・ユーシュン
「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介
「少年の君」デレク・ツァン
「スティルウォーター」トム・マッカーシー
「ブルー・バイユー」ジャスティン・チョン
「前科者」岸善幸
「スウィート・シング」アレクサンダー・ロックウェル

観た順番で上記の10本。その他にも「17歳の瞳に映る世界」「君は永遠にそいつらより若い」「サマーフィルムにのって」などなど、瑞々しい感性と出会えた作品も多くあり、これほど10本の作品を選ぶことに迷った年はないように思います。

映画について記録し始めて11年になります。ここにきて今年は、ブログや Filmarks をフォローしてくださる方が例年になく増えている、そのことが大きな喜びでした。

映画について言葉を紡ぐことが私のライフワークです。

今年も1年間、本当にありがとうございました。身近な人も、なかなか会えない人も、まだ会ったことのない人も、私の大きな支えとなっています。感謝。

皆さんどうか良い年をお迎え下さい☆

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