人生において最も価値のあるものは思い出だ。誰と出会い、何をしたのか。何に笑い、何に泣いたのか。思い出が人生を豊かにし、思い出が人生を教えてくれる。バート・レイノルズの素晴らしい遺作。これが遺作だなんて、劇中の映画オタクに愛されるがごとく(彼らの手作り映画祭がなんとも映画愛に溢れていてサイコー)、まぎれもなく映画そのものに愛された俳優だ。
人生において最も価値のあるものは思い出だ。誰と出会い、何をしたのか。何に笑い、何に泣いたのか。思い出が人生を豊かにし、思い出が人生を教えてくれる。バート・レイノルズの素晴らしい遺作。これが遺作だなんて、劇中の映画オタクに愛されるがごとく(彼らの手作り映画祭がなんとも映画愛に溢れていてサイコー)、まぎれもなく映画そのものに愛された俳優だ。
とにかく不快だった。やがて、耐え難くなり、痛みとなった。社会に隠されているもの、いや、私たちが無意識に目を覆っているものが、すべて生々しく露わにされているからだ。狂気の塊のようなエージが、純粋すぎるスギオが、そして、神のようなタロウが、畏ろしく羨ましかったのだと、今となってわかる。心を抉るようにダメージを与えるような映画は、ワンシーンワンシーンが脳裏に焼きついて離れない。
フツウとか、ジョーシキとか、そんなものはどーでもいいことを、映画はいつも教えてくれる。大事なのは、フツウじゃないことを受け入れること、その先にあるものを受け止めること。想像力を働かせることが、思いやりを生み、人を幸福へと導いていく。そんな、家族の物語。
ケン・ローチともう一人、イギリスには、マイク・リーがいることを忘れてはならない。一大スペクタクル。国の行く末を左右した事件を、その国を代表する監督が撮ると、それはやっぱり「特別な映画」となる。非武装市民6万人を相手に、騎兵隊はサーベルを振り上げ、軍隊はライフルで襲いかかる。なぜ統治する者は民衆を恐れるのか? 恐れざるをえないのか? 21世紀になってなお繰り返される武力弾圧はなぜ起こるのか? そんな本質的な問いかけが、終始一貫、ずっと貫かれている。