この映画が「アマンダと僕」のミカエル・アース監督の作品だということを観終わってから知った。繰り返し「喪失」を描くこの映画監督は、夏の木漏れ日、山々の緑、湖で泳ぐ人々・・・、それから、夕景も、夜景も、過ぎ去っていく風景を絵画のように美しく描く。光と色彩。まるでエリック・ロメールの再来。これぞ、フランス映画の正当なる系譜だ。
この映画が「アマンダと僕」のミカエル・アース監督の作品だということを観終わってから知った。繰り返し「喪失」を描くこの映画監督は、夏の木漏れ日、山々の緑、湖で泳ぐ人々・・・、それから、夕景も、夜景も、過ぎ去っていく風景を絵画のように美しく描く。光と色彩。まるでエリック・ロメールの再来。これぞ、フランス映画の正当なる系譜だ。
圧巻。脱帽。痛快。82歳のロバード・レッドフォードが、自らの引退作に、足を洗えない銀行強盗を描く、この作品を選んだなんて、なんと粋なこと!(しかも監督には新鋭監督をチョイス)可笑しくて、哀しくて、とてつもなく艶っぽい。「問題は僕がどこにいて何をしていようと、子供の頃の僕が今の僕を見て誇りに思うかどうかだ」って台詞を吐く、チャーミングな爺さんに終始心を奪われっぱなしでした。
再見。三池崇史監督が審査員長を務めた映画祭にて、映画を志す者に向けられたメッセージ「『生ぬるい映画に満たされた今を嘲笑うかのような快作』。または、『捻れに捻れた現実を、さらに捻じりあげるような快作』。なんでもいい。幸せな出会いを期待している」は、かつて撮った、自分自身のこの作品に捧げられたような言葉だ。熱量と狂気。野心に満ち満ちた、この日本映画史上、極めて暴力的(あるいは変態的)で残虐残酷な映画をみると、今もなお「得体のしれないものを観てしまった」というモヤモヤとした気持ちにさせられる。