ともに過ごす時間の長さだけが大切なわけではない。たった一言を交わしただけで、たったひと夏を過ごしただけで、一生忘れられない友達になることだってある。連絡先も知らず、もう何十年も会っていないけど、あいつどうしてるかなー、とふとした瞬間に思いだす。そんなノスタルジックな気持ちにさせてくれる青春映画。しみじみ。
ともに過ごす時間の長さだけが大切なわけではない。たった一言を交わしただけで、たったひと夏を過ごしただけで、一生忘れられない友達になることだってある。連絡先も知らず、もう何十年も会っていないけど、あいつどうしてるかなー、とふとした瞬間に思いだす。そんなノスタルジックな気持ちにさせてくれる青春映画。しみじみ。
現実よりもリアル。痛々しくて、息苦しくて、目を背けたくなる。前作「その夜の侍」もそうだったけれど、赤堀雅秋監督はまたしても、私たちが蓋をして、目を逸らしてきた闇を、これでもかというほど執拗に暴き出した。愛情が深ければ深いほど、一旦歯車が狂ってしまうと、もう目も当てられない。どんな家族にも崩壊する可能性はあるのだと、この映画は、強く、強く警鐘を鳴らす。人間は恐ろしく、愚かで、滑稽だ。
毒をもって毒を制するつもりが、毒がまわって、次第に感覚が麻痺していく。悪事に手を染めることを狡猾に強要するくせに、収集がつかなくなった途端、ひらりと手のひらを返したように、知らぬ存ぜぬを貫く組織というものの闇。これはエンタテインメントでありながら、実にジャーナリスティックな問題作。新聞やテレビでは語られない事実を映画はいつも浮き彫りにする。そして、綾野剛はやっぱり本物だった。熱演。
何人も死をまぬがれることはできない。死期の近い人間に寄り添い、死をジャッジする死神の物語から見えてくるのは、どんな人生であれ、ドラマチックであるということだ。ウィットに富んだエンタテインメントでありながら、人生の儚さをしみじみと感じさせてくれる。伊坂幸太郎はひょうひょうといつも核心を突いてくる。
なんといっても、アリエル・ホームズに尽きる。12歳の頃、アル中だった実母にコカインをすすめられたという、その壮絶な生い立ちからくる、ただならぬ存在感と、その佇まいは、都会に暮らすストリートガールのリアルそのものだった。恋とヘロイン。生きる理由も、目的も、ただそれだけ。そんな彼女の刹那的な生き方に感情がざわざわと掻き立てられる。そして、特筆すべき冨田勲のシンセサイザー。この映画によって「月の光」は映画史上もっとも切なくセンチメンタルな映画音楽となった。
映画『神様なんかくそくらえ』(Heaven Know What)公式サイト