なんといっても、アリエル・ホームズに尽きる。12歳の頃、アル中だった実母にコカインをすすめられたという、その壮絶な生い立ちからくる、ただならぬ存在感と、その佇まいは、都会に暮らすストリートガールのリアルそのものだった。恋とヘロイン。生きる理由も、目的も、ただそれだけ。そんな彼女の刹那的な生き方に感情がざわざわと掻き立てられる。そして、特筆すべき冨田勲のシンセサイザー。この映画によって「月の光」は映画史上もっとも切なくセンチメンタルな映画音楽となった。
映画『神様なんかくそくらえ』(Heaven Know What)公式サイト