ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「少年の君」デレク・ツァン

これだけ純粋に真正面から愛についての映画を撮られたらもう何も言うことはない。陰険ないじめも、熾烈な受験戦争も、ネグレクトや少年犯罪も、彼らが生きる「日常」はどこか虚無的で、二人でいる時間だけがリアルだった。愛は強く、美しく、犯しがたい。映画を観ながら聖書の言葉が頭に浮かんだ。「信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である」というコリントの信徒への手紙の一節だ。

映画『少年の君』公式サイト|7月16日公開