ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「わたしの叔父さん」フラレ・ピーダセン

1980年生まれのデンマークの映画監督、フラレ・ピーダセンが敬愛し、師と仰いでいるのは小津安二郎であるという。ジャームッシュカウリスマキの名を挙げるまでもなく、海外の映画監督、しかも、生まれたときにすでに小津がこの世にいない監督たちが、自らの映画を通じ、彼にオマージュを捧げるとき、その偉大さを改めて痛感する。この映画が描くのは、他者とのかかわりの中で繰り返される心地よい日常(「ヒュッゲ」)のかけがえのなさだ。日常にある家族の機微を描いた小津の薫陶が脈々と受け継がれている。

f:id:love1109:20211111015949j:plain

映画『わたしの叔父さん』公式サイト