アジアの映画が教えてくれるのは「死は祝祭である」ということだ。ガンジス川の畔の聖地「バラナシ」には、限りなくハレに近いケが存在し、人々はそこで、安らかな死を願い、待っている。「死は心から訪れる」とその人は言った。メメント・モリ(死を想え)というのは、嗚呼こういうことなんだろうかと思う。
ロケ地は富山。しかも、高岡多め。MANBOW、高岡自動車学校、文苑堂書店、あっぷるぐりむ、文苑堂書店、国道8号線・・・。あまりに地元すぎて、とても冷静に観ることはできなかったけれど、そういえば、あの頃、なぜ東京じゃなきゃいけなかったのか。東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東京東東京東京東京 書けば書くほど恋しくなる。―ほんと、寺山修司の言葉、そのものだった。楽しいこともいっぱいあったけど、苦しく、切ないこともいっぱいあったなぁと、しみじみ感じさせてくれる青春映画。たまらんなぁ、これ。山内マリコさん、僕も「何者か」になりたくて地方都市・高岡で煩悶としていたうちのひとりです。
無意識に溢れでたその涙によって少女は打ち明けることのできない孤独から解放されることはできたのだろうか? 親の死に揺れ動く感情。それでも人生は美しいと思える瞬間や、自然や、かかわりや、感傷や、愛が、この映画には満ちている。子どもの、その繊細で、なにもかも見透かすような恐ろしく、瑞瑞しい感性ときちんと向き合い、寄り添う大人でありたい。
白人の警官が無実の黒人を撃った。という単純な物語ではなく、なぜ彼は撃たれなければならなかったのか、事件を目撃した少女がなぜ口を噤まねばならなかったのか、その背景にある黒人社会そのものの歪みまでもを赤裸々に告発した日本未公開映画。The Hate U Give Little Infants, Fuck Everybody.原題は自身も25歳の若さで凶弾に倒れた2PACの楽曲から。自由、平等、平和への渇望。こんな映画を観ると、ヒップホップカルチャーが、なにゆえ、ゲットーと呼ばれる貧民街から生まれたのかがよくわかる。