ヒッチコックを例にあげるまでもなく、本物のホラーというのは、視覚的、あるいは、聴覚的に怖さを訴えかけるものではなく、私たちの想像力をじわりじわりと冒してくるようなものだ。人間の「悍ましさ」や「利己」が徐々に露わとなる121分。奇才ヨルゴス・ランティモス監督の世界が炸裂。こんな映画を目にすると、家族など、いかに薄っぺらく、危ういものであるかを完膚なきまでに思い知らされる。傑作。そして、またまたのニコール・キッドマン。まさに円熟期。実にいいキャリアを積み重ねている。
ヒッチコックを例にあげるまでもなく、本物のホラーというのは、視覚的、あるいは、聴覚的に怖さを訴えかけるものではなく、私たちの想像力をじわりじわりと冒してくるようなものだ。人間の「悍ましさ」や「利己」が徐々に露わとなる121分。奇才ヨルゴス・ランティモス監督の世界が炸裂。こんな映画を目にすると、家族など、いかに薄っぺらく、危ういものであるかを完膚なきまでに思い知らされる。傑作。そして、またまたのニコール・キッドマン。まさに円熟期。実にいいキャリアを積み重ねている。
そんなに詳しいわけではないけれど、「プロレスを愛するひとに悪いひとはいない」と、どこかで強く信じている。「百円の恋」の武正晴監督が、リングに立ち続ける人間の「崇高さ」を、まっすぐに撮りあげた、びっくりするほどピュアな作品。劇中、今からそこで闘う大きな体のレスラーたちが、体育館に黙々とリングを組み立てていくシーンに、心の底から感動した。美しさとは、こういうことだ。