岡崎京子の「リバーズ・エッジ」を初めて読んだのは、確か、姉が定期的に買っていた雑誌「CUTiE」の連載だった。あの頃はちょうど、世の中に蔓延している薄っぺらな嘘にようやく少しずつ気づき始めた頃で、そこで引用されていた「平坦な戦場で僕らが生き延びること」というウィリアム・ギブスンの詩に、嗚呼、この人は信頼できる人なんだと、直感的に感じたことを今でもはっきりと覚えている。もし、この映画を観て「リバーズ・エッジ」を知り、何かを感じた人がいたならば、余計なお世話かもしれないけれど、できれば原作(マンガ)も読んでほしい。あれから20年以上たった今も、それは強く、切実に、響いてくるはずだから。エンドロールに流れた小沢健二の主題歌「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」、いろんな感情が溢れでて、なんだか久しぶりにゾクゾクした。