ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「独裁者」チャールズ・チャップリン

とても感動するのは、この映画が、戦後ではなく、アメリカが戦争に加わる前、ほとんどのアメリカ人がナチズムに無自覚だった1940年に公開されているということだ(なんとヒトラー自身、この映画を二度も観ている!)。世の中がどうのとか、観客に受けそうとか、そんなの関係ない。「自分はこう思うんだ。君たちはどうだい?」ということを、映画という表現手段を用いて、誰よりも素早く強烈に世界に問いかけたのがチャップリンだ。話しながら彼がどんどん高揚していく映画史上最も有名な演説シーンは何度見ても胸が熱くなる。