「放っておいたら素通りされてしまう、ひっそりとした場所に隠れている」もの。その「営みを間違いなくこの世に刻み付けるために」小説を書いている。作中に登場する作家の言葉はまるで小川洋子自身が発した言葉のようだ。小さきものを見過ごさず、微かな声を聞き逃さない。そこにある物語を言葉でそっとすくいあげる。そんな風にやさしく繊細な小説がやっぱり好きだ。
「放っておいたら素通りされてしまう、ひっそりとした場所に隠れている」もの。その「営みを間違いなくこの世に刻み付けるために」小説を書いている。作中に登場する作家の言葉はまるで小川洋子自身が発した言葉のようだ。小さきものを見過ごさず、微かな声を聞き逃さない。そこにある物語を言葉でそっとすくいあげる。そんな風にやさしく繊細な小説がやっぱり好きだ。