2011-09-22 「輝ける闇」開高健 書籍 カービン銃を手にした主人公が感じた「面白半分で私は人を殺し、そのあと銃をおいて、何のやましさもおぼえずに昼寝ができそうだ」という渇望にも似た感覚は、そのまま開高健がヴェトナムで実感したことであるに違いない。反戦などという薄っぺらな次元を超えて、戦争の真実を、素っ裸の人間そのものを徹底的に抉りだす。これはもうすでに小説ではなく生命をかけた独白です。 開高健 『輝ける闇』 | 新潮社