「妖怪がいなくなったのは電気のせいです。電気のおかげで明るくなり、暗闇がなくなったのが悪いんです」と水木しげるさんは語ります。ほんとうの暗闇を知らない私たちは「不気味なものを感じる」ということがどんどん少なくなっています。闇の深さ、広さ、豊かさ。妖怪というものが、人間の心の中にあるもの、人間の想像力の造形物であるとするならば、その驚くべきイマジネーションは「得体の知れないもの」によって育まれたものであったようです。
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