この映画について、荻上監督は「私は、この国で女であるということが、息苦しくてたまらない」という言葉を寄せている。この社会に渦巻いている不安や苦しみは、得体の知れないもの、例えば、新興宗教にすがりつかねばならない多くの人間を生みだしている。自由であること、生きるということは、過酷だ。
「逃げきれた夢」二ノ宮隆太郎
ちゃんと生きるって難しい。やり過ごそうとしても、そうは問屋がおろさない。人は人として人と向き合わねばならず、人生のどこかで、その時は必ずやってくる。当たり障りのない言葉、その場限りのやさしさ。唯一、かすかな希望と思えるのは、それが誰かを救うこともあるということだ。しみじみ、いい映画だったなぁ。
「千夜、一夜」久保田直
ベストテン2023
2023年もあと2日。今年観た映画は62本。日々慌ただしく、往時の半分くらいになりましたが、それでも映画は観続けています。
さて、年末恒例のベストテンも今年で12年目。特に印象に残った映画は、
「お嬢ちゃん」二ノ宮隆太郎
「ベイビー・ブローカー」是枝裕和
「PLAN 75」早川千絵
「フラッグ・デイ 父を想う日」ショーン・ペン
「エゴイスト」松永大司
「逆転のトライアングル」リューベン・オストルンド
「ザ・ホエール」ダーレン・アロノフスキー
「ケイコ 目を澄ませて」三宅唱
「Winny」松本優作
「小さき麦の花」リー・ルイジュン
観た順番で上記の10本です。
「悪いところは誰でも見つけられるけれど、いいところを見つけるのは、そのための目を磨いておかないとできない」とは黒澤明の大好きな言葉。
ライフワークにしているブログの映画記事も1254本を数えますが、1本たりとも批判していないというのが、私のちょっとした誇りです。
今年も1年間、本当にありがとうございました。
皆さんどうか良い年をお迎え下さい☆