「一瞬も一生も美しく」というのは資生堂の傑作コピーだけど、ホント、人生は一瞬一瞬が奇跡の連続で、その連なりが、私たちを奮い立たせ、また、癒してくれたりもする。さすが、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルが描く自伝的な作品には、そんな人生の豊潤さが細部にわたって満ち満ちていた。過去を振り返り、見つめ直すことは、決して後ろ向きなことではないのだ。
「一瞬も一生も美しく」というのは資生堂の傑作コピーだけど、ホント、人生は一瞬一瞬が奇跡の連続で、その連なりが、私たちを奮い立たせ、また、癒してくれたりもする。さすが、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルが描く自伝的な作品には、そんな人生の豊潤さが細部にわたって満ち満ちていた。過去を振り返り、見つめ直すことは、決して後ろ向きなことではないのだ。
男性であるとか、女性であるとか、性別に関係なく、抑圧からの解放を描いた映画はとかく胸を打つけれど、これほど高らかに、そして緻密に、女性の気品や知性、熱情や献身を表現されると、観る者はただ圧倒されるほかない。あのカンヌでさえ、パルム・ドールを受賞した女性監督が、わずか一人しかいないという事実。それがいかに豊かな映画体験を奪っているか。この作品を観て映画人は大いに反省すべきだ。
狂気の沙汰につき、閲覧注意。この世に生まれ落ちたら、誰一人として、独りでは生きていけない。どんな狂人であっても、どんなに世を恨んでいても、誰かに守られ、愛された事実は消えないし、幸せな記憶は魂のずっと奥に留まり続ける。そして、魂に刻み込まれたその記憶こそが、母と子、兄と弟を、いつまでも強固に結びつける。史上最も下劣なミュージシャンとその家族のドキュメンタリー。この映画が証明するのはそんなことだ。
映画『ジ・アリンズ / 愛すべき最高の家族』オフィシャルサイト
すごい映画をみた。沖田監督はいつもそんな映画を撮るけど、今回もまた、正真正銘のものすごい映画だった。映画はいつも「誰か」と生きること、その悲喜こもごもを描くけど、この映画は違った。人間は独りで生まれ、独りで死んでいくのだ、それでいいのだ、と痛切に思い知らされた。しかも、とても優しく、ポップに、ユーモアを交えて。言葉にできない大好きなものがたくさん詰まっていた。やっぱり沖田修一という監督が今の日本でいちばん好きだ。
映画「おらおらでひとりいぐも」公式サイト 5.26(水)Blu-ray&DVD発売 レンタル&配信開始 デジタルセル配信3.6(土)先行リリース