ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」ヨルゴス・ランティモス

ヒッチコックを例にあげるまでもなく、本物のホラーというのは、視覚的、あるいは、聴覚的に怖さを訴えかけるものではなく、私たちの想像力をじわりじわりと冒してくるようなものだ。人間の「悍ましさ」や「利己」が徐々に露わとなる121分。奇才ヨルゴス・ランティモス監督の世界が炸裂。こんな映画を目にすると、家族など、いかに薄っぺらく、危ういものであるかを完膚なきまでに思い知らされる。傑作。そして、またまたのニコール・キッドマン。まさに円熟期。実にいいキャリアを積み重ねている。

f:id:love1109:20180914011100j:plain 

映画『聖なる鹿殺し』公式サイト