緊張と緩和。こそが笑いを生むというけれど、強制労働収容所への収容、あるいは、反逆罪による銃殺と、恐怖による支配が崩れ、たがが外れた瞬間に、ここまで人間は「滑稽」になるのかということを丹念に描いた衝撃のブラック・コメディ。状況の変化に態度を一変させ、追い込まれれば追い込まれるほど、欲が丸出しになっている側近たちの下衆さが、なんだか、どんどん愛おしくなってくるから不思議だ。
緊張と緩和。こそが笑いを生むというけれど、強制労働収容所への収容、あるいは、反逆罪による銃殺と、恐怖による支配が崩れ、たがが外れた瞬間に、ここまで人間は「滑稽」になるのかということを丹念に描いた衝撃のブラック・コメディ。状況の変化に態度を一変させ、追い込まれれば追い込まれるほど、欲が丸出しになっている側近たちの下衆さが、なんだか、どんどん愛おしくなってくるから不思議だ。
信じて飛べ! そう言われても、なかなか飛ぶことができないように、自由に、やりたいことをやり、後悔のない人生を送ることは、殊の外、難しいものだ。モタモタしているうちにやり過ごしてしまわぬよう、迷ったらやる、というくらい前のめりに生きていこう。いのち短し、恋せよ乙女。酸いも甘いも噛み分けた大人たちに教えられることはたくさんある。
ハリー・ディーン・スタントンの遺作。風貌、仕草、服装、そのいずれもが、怖ろしいほどカッコイイのは、そこに彼の人生のすべてが滲み出ているからだ。テンガロンハットをかぶり、行きつけのダイナーでコーヒーを飲み、新聞のクロスワード・パズルを解く、頑固で偏屈な爺さんが「死」を想い、語り、受け入れることが、こんなにも感動的だなんて。できることなら彼のように、ほんとうの孤独を掴みとってから、人生の最期、そのときを迎えたい。
盲目的な男の浅はかさと、強かな女の思慮深さを、見事に描いた大人の恋愛映画。設定が40代とは到底思えない人生経験値と恋愛偏差値の高さ! 「ほろ苦くも芳醇なラブストーリー」という言葉はこの作品のためにあるような映画だった。ロマンチストとリアリスト。それにしても、未練タラタラ、男というのはどうしようもないな。猛烈にお恥ずかしい。