命をかけて、とか、命を削って、なんて、軽々しく口にしてはいけない。わずか29年の生涯。常に死を意識せざるをえなかった棋士・村山聖の魂の対局と生き様、勝利への執念にみなぎるこの映画を観ると、そんな思いがふつふつと湧いてくる。今この瞬間がすべて。「今ぼくたちが考えなきゃいけないのは目の前の一手です」という台詞が胸にずしんと響いてくる。
映画『聖の青春』 4.28(金)Blu-ray&DVD発売!4.1(土)Blu-ray&DVDレンタル開始!
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その後、芥川賞を受賞する川上未映子の「ありのまま」が生き生きと綴られる初期の随筆集。例えば「早川さんは歌いながら黙っていたし、動きながら静止していて、お客さんは瞑っていた。それを見て私は目と胸がとても熱くなって涙が滲んで鼻からも熱い息が出た。みんな生きてるんやと思った」という一節。独特の文体も良いけれど、やっぱり、感受性のセンスがハンパない。こんな風に物事を見つめ、感じることができたなら、世界はもっと醜く絶望的で、もっと美しく輝いているんだろうか。
『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(川上未映子):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
どんなに恐ろしい事件も、どんなに悲しい出来事も、他人事として眺めると、どれも喜劇に見えてくる。色とカネ。欲にまみれる人間の滑稽で哀しい性を、円熟のキャストとスタッフが、一級のエンターテインメントとして描いた意欲作。まるで伊丹十三のような、ユーモアを忘れず、人間そのものの核心に迫る毒のある喜劇は久しぶり。