恋人同士を引き裂いたり、幼なじみを殺し合わせたりする、その背景にあるもの。自爆テロに向かう青年を描いた「パラダイス・ナウ」から8年。パレスチナの若者たちの置かれている状況が、何ひとつ変っていないこと、むしろ、悪くなっていることに、ただただ愕然とする。占領、支配、抑圧。人が人を押さえつける世界では、愛さえもがまるで無力だ。
どんなに恐ろしい事件も、どんなに悲しい出来事も、他人事として眺めると、どれも喜劇に見えてくる。色とカネ。欲にまみれる人間の滑稽で哀しい性を、円熟のキャストとスタッフが、一級のエンターテインメントとして描いた意欲作。まるで伊丹十三のような、ユーモアを忘れず、人間そのものの核心に迫る毒のある喜劇は久しぶり。
富とひきかえに失ったもの。ジャ・ジャンクーは再び、映画という手段を用いて、変化する祖国に翻弄された人間の苦しみと悲しみを、実に丹念に美しく切り取ってみせた。思い通りにはいかないけれど、人生は、ただ淡々と流れていく。そして、特筆すべきは、その色彩感覚。現代中国を代表する名匠は、映画とは「色彩の芸術」であるということを、改めて思い出させてくれる。
Perfume を好きになって随分と経つ。彼女たちの曲を聴くといつも泣きそうになるけど、この映画を観て、ようやくその理由がわかった気がした。圧倒的な高揚感。テクノロジーと熱血(スポ根)の融合。Perfume こそ日本が世界と勝負できる最強のコンテンツであると信じて疑わない。そして、これもいつも思うけど、ハイヒールであのダンス。スゴすぎ!
映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』特設サイト