Editor's Record

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「土を喰う日々」水上勉

例えば、四月。山菜について。「氷がとけ、土がとけ、その養分を吸って芽ぶいた草々の、いのちのつよさと美しさが、胸にこみあげてくる」と著者は書く。一日に三回、あるいは二回。精進といえども、喰うことはすべて「いのち」をいただくということであり、その一回一回が、実は人生にとって一大事なんだと思わせてくれる素晴らしい一冊。食べることを疎かにすることは、生きることを疎かにすることだ。


水上勉 『土を喰う日々―わが精進十二ヵ月―』 | 新潮社