ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「赤ひげ」黒澤明

黒澤明の第23作。映画産業が斜陽化する時代、抵当に入っていた自宅を売ってまで、映画の可能性をとことん追求した黒澤ヒューマニズムの最高傑作。人間のいやらしさ、業の深さを描きながら、それでもなお、その存在を絶対的に肯定する人間讃歌。オープニングでずらり一列に並ぶ「東野英治郎志村喬笠智衆杉村春子田中絹代」のクレジットはまるで奇跡。クロサワ映画は、日本映画の歴史そのものだ。