シリーズ第2作。マドンナ役の佐藤オリエも良かったけど、この作品は、何といっても東野英治郎と、ミヤコ蝶々に尽きる。そんな鬼籍に入った殿堂入りクラスの名優の演技(というよりも存在)を目にするだけで寅さんには値がある。そして、丹念に細部にまで練り込まれた脚本クオリティー。原作なしに喜劇を組み立てるというのは本当にすごいことだ。
第2作 続 男はつらいよ|松竹映画『男はつらいよ』公式サイト| 松竹株式会社
シリーズ第2作。マドンナ役の佐藤オリエも良かったけど、この作品は、何といっても東野英治郎と、ミヤコ蝶々に尽きる。そんな鬼籍に入った殿堂入りクラスの名優の演技(というよりも存在)を目にするだけで寅さんには値がある。そして、丹念に細部にまで練り込まれた脚本クオリティー。原作なしに喜劇を組み立てるというのは本当にすごいことだ。
第2作 続 男はつらいよ|松竹映画『男はつらいよ』公式サイト| 松竹株式会社
富めるものも、貧しきものも、ラザロの前では何の意味も持たない。何人たりとも、その無垢な魂を揺るがすことができないだけでなく、その白痴ともとれる聖人の存在はやがて、疎ましいものとなり、偽善に満ちた人間や、社会を崩壊させていく。ラザロによって暴かれるものは私たちの欺瞞。こんな風に世界をハッとさせる映画こそ真に価値のある映画だ。
信仰の矛盾。何かを抑制するということは、鬱憤を溜め込むことでもある。あの「タクシードライバー」を書いた脚本家ポール・シュレイダーが、構想50年の末に完成させた映画にも、当時と変わらぬ、憤懣やるかたない思いが漂っている。キャリア史上最高、この役を演じるために生まれたとまで評されたイーサン・ホークの静かな怒りは、デ・ニーロに匹敵する狂気を孕んでいた。