デカイ。デカすぎる。映画の中のミフネは、スクリーンの画角に収まることなく、信じられない大きさで、私たちに迫ってくる。そのあまりの規格外の存在感に、ただただ圧倒されるばかりだ。思えば、黒澤明を世界のクロサワにしたのも、サムライを世界に知らしめたのも、すべてミフネのおかげであるといっていい。断言。好き嫌いの次元を超えて、三船敏郎こそ日本映画史上最高の俳優だ。その佇まい、立ち振る舞い、台詞まわし。それらすべてが超絶にカッコイイ。
前人未到。まだ誰も成し遂げていない未知なる領域へ足を踏み入れる人間というのは、まるでそこに引き寄せられる運命、というよりも、宿命によって導かれていく。史実を描く映画をみて思うのはいつもそんなことだ。携帯もなかった時代に「月に行ってみよう」と考える暴挙。それが国家の悲願となるなんて、改めて1960年代は、なんとロマンチックな時代なんだろうと思う。またしても、ライアン・ゴズリングの圧倒的な演技力。天才。
ヴィヴィアン・ウエストウッドは独立している。世界数10カ国、100店舗以上を展開するブランドでありながら大企業の傘下には入らない。だからこそ、依存することはないし、何かに取りこまれることも、何かに属することもない。反キリスト、アナーキスト。そこには、宗教も、政治も入り込めない。クリエイティヴを守るということは、真に自由でいること、真に自由であることなのだ。
映画「ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス」公式サイト 2018年12/28公開