Editor's Record

観たモノ、読んだモノ、聴いたモノ。好きなモノの記録。

「レディ・バード」グレタ・ガーウィグ

愛すべき自意識。特別な存在でありたい、特別な存在になりたいと願う少女が、決して伝わることのない母親の大きな愛情に包まれながら、何者でもない自分を受け入れる物語。さすが、さすがの、シアーシャ・ローナン。七転八倒の超チャーミングなどんくさクレイジーガールが、世界一ハッピーで、世界一絶望した、あのキラキラした日を思い出させてくれる。嗚呼、青春。グレタ・ガーウィグも監督デビュー作でこのクオリティはすごい。

f:id:love1109:20181214014440j:plain 

映画『レディ・バード』公式サイト 2018.11.21[WED]ブルーレイ&DVDリリース!

 

 

「三尺魂」加藤悦生

三尺魂の花火によって集団自殺を図ろうとしていた4人が、タイムリープを繰り返すことによって「人は誰かの手を必ず借りていて、誰かに助けられている。同時に自分も誰かに手を差し伸べて、誰かの力になっているときがある」(加藤監督曰く)という真理に辿りつくSFエンターテイメント。最近なんだか自主制作が熱いなぁ。

f:id:love1109:20181212010348j:plain 

ギャガ株式会社(GAGA Corporation)/三尺魂

「ファントム・スレッド」ポール・トーマス・アンダーソン

ブギーナイツ」、「マグノリア」、「パンチドランク・ラブ」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、「ザ・マスター」。そのフィルモグラフィーを並べるだけで、ポール・トーマス・アンダーソンという監督が、いかに常軌を逸した天才なのかということがわかる。名優ダニエル・デイ=ルイスが引退作に選んだのは、「美」というものをその極限まで追求したかのような、オートクチュールの世界に生きる、一癖も二癖もある男女の物語。美しいものには棘があり、棘があるからまた美しいのだ。

f:id:love1109:20181207012152j:plain 

映画『ファントム・スレッド』オフィシャルサイト

「モリのいる場所」沖田修一

拙宅の玄関には、万平ホテルに行商に来ていた画廊から、かなり背伸びをして買った熊谷守一「桜」の絵が飾ってある。彼が45年間住み続けた旧宅跡地にある豊島区の美術館は、とても静かで気負いのない、和やかで自然豊かな美術館だった。蟻を眺め、鳥を眺め、雫を眺め、光を眺める暮らし。眺めることが人生を豊潤なものにするのだと、改めて思い知らされる。山崎努の同化、樹木希林のここぞという一言はさすが。

f:id:love1109:20181206012327j:plain 

映画『モリのいる場所』公式サイト

「エンドレス・ポエトリー」アレハンドロ・ホドロフスキー

カルト界の巨匠としての面目躍如。まるでフェリーニパゾリーニの映画を観ているような、そんな感覚を21世紀に味わえることの衝撃。詩人である主人公と、巨女や小人、フリークスたちが、おどろおどろしくも美しい世界で繰り広げるマジック・リアリズム。あの寺山修司も嫉妬したアレハンドロ・ホドロフスキー監督が90歳を目前に今なおアヴァンギャルドでクリエイティブであるというのがスゴイ。もはや1作1作が伝説だ。

f:id:love1109:20181205001402j:plain 

映画『エンドレス・ポエトリー』公式サイト