Editor's Record

観たモノ、読んだモノ、聴いたモノ。好きなモノの記録。

「ハネムーン・キラーズ」レナード・カッスル

せつない。あまりにせつなすぎて、トリュフォーが「もっとも愛するアメリカ映画」と称賛したことがよくわかる。愛するがゆえに罪を犯さねばならない二人に共通しているのは、寂しく、耐えられないほどの孤独だ。愛すれば愛するほど堕ちていく痛切なラブストーリー。「タクシードライバー」を撮る前のスコセッシが監督するはずだった、伝説のカルト映画は、まぎれもない傑作だった。

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映画『地獄愛』『ハネムーン・キラーズ』オフィシャルサイト

「武曲」熊切和嘉

鎌倉は、もっとも静かで、美しく、洗練された街だ。その街と対比するかのように描かれる、人間のどろどろとした業と、純粋であるがゆえの狂気。綾野剛の圧巻の演技をみて思うのは、俳優の魂は肉体に宿っているということ、そして、チャンバラの殺陣はやはりダンスのようであるということだ。

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「ローマ法王になる日まで」ダニエーレ・ルケッティ

ツイッターでつぶやき、若者たちと自撮りもする。カトリックでありながら「神は新しいことを恐れていない」と同性愛者に一定の理解を示す。史上最も民衆から愛されている法王フランシスコが歩んできた半生は「痛み」を知ることの連続だった。劇中の台詞「奉仕職は霊的性格ゆえ、言葉と行いのみで果たされるべきではなく、祈りと苦しみが必要なのです」は、彼だからこそ言える、とても重みのある言葉だ。

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映画『ローマ法王になる日まで』公式サイト

「恋する原発」高橋源一郎

不謹慎といえば不謹慎であるかもしれないし、下品といえば下品であるかもしれない。しかし、なにかを自粛したり、抑制したり、禁止したりする、その背後には、少なからず、なにか「うしろめたさ」のようなものが横たわっているように思えてならない。ことを荒立てるコメンテーターにしたり顔で批判されることも、暇にまかせた人たちに必要以上に炎上されることもなく、それを読んだ者だけが、読後、ひとりでただ悶々とするしかない「文学」の寛容さと自由さに久しぶりに感動する。

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恋する原発 :高橋 源一郎|河出書房新社

「グッド・タイム」ジョシュア&ベニー・サフディ

さめやらぬ興奮! 観るものの想像力を次々に超えていく予測不可能な100分間。アドレナリンが分泌しっぱなしのクライム・サスペンス。映画でしか感じることのできない疾走感と高揚感を存分に堪能する。理由なき反抗。これは21世紀のアメリカン・ニューシネマ。「神様なんかくそくらえ」のジョシュア&ベニー・サフディ兄弟はやっぱり本物だった。

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映画『グッド・タイム』公式サイト