宮崎駿は2度目の引退会見で「この世は生きるに値するんだ、ということを伝えるのが自分たちの仕事の根幹になければいけないと思ってきた」と発言した。また、別のインタビューでは 「生きててよかったんだ、生きていいんだ、というふうなことを、子どもたちにエールとして送ろうというのが、児童文学」という言葉を残している。児童文学に多大な影響を受けた宮崎駿が、子どもたちのために、世界の美しさと、生きる希望をちりばめた集大成。CG全盛のこの時代に、世界を魅了した手描きのアニメーションが、そのメッセージに力強さを与えている。