ISISに襲われた記憶を描いた子供たちの絵が脳裏に焼きついている。イラク、シリア、レバノン、クルディスタン・・・。四六時中、銃声が鳴り響き、いつ命を奪われるかわからない。圧政、侵略、虐殺。想像すらできない極限と、まさしく隣り合わせで毎日を暮らす人たちがいる。何度も胸に刻もう。戦争における最大の犠牲者は、なぜ戦争しているのかさえわからない、ささやかな、ささやかな暮らしを営む、その人たちなのだ。誠実な映画は、いつも私たちの目を覚まし、目に見えぬ問題を喚起する。
「国境の夜想曲」2022年2月11日(金・祝)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー!