必死だった。超一流の俳優たちの、一つひとつの台詞、一つひとつの表情、一つひとつの仕草に、心がぐちゃぐちゃにかき乱され、物語についていくことに、ただただ必死だった。その根底にある「怒り」。それでいて、喜びも、哀しみも、楽しさも、喜怒哀楽のすべてが描かれ、力強く(容赦なく)伝わってきた。人間の強さと弱さ、美しさと醜さも。「誰も知らない」でカンヌに見いだされ、この「万引き家族」でパルムドールを獲った。「子供を撮る」という点において、是枝監督は、世界の映画史に名を刻む天才だと思う。傑作。本日、試写会にて。6月8日公開です。