ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「この世界の片隅に」片渕須直

ようやくの「この世界の片隅に」。玉音放送を聞いたばかりの、普段はおっとりとした主人公が「最後の一人まで戦うんじゃなかったんかね!」と、怒りとも、悲しみともつかない、やりきれない感情をむきだしにするシーンが忘れられない。社会や政治にそれほどの興味や関心もなく、フツウの暮らしをフツウに生きていた、恐らく多くの日本人が、自分の命が尽きるまで戦うことを覚悟していた。そんな苛酷な時代にも「ユーモア」や「笑い」がきちんと存在していたんだと思うと、なんだかとても嬉しくて、なんだかとても泣けてくる。

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