ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「ヴァーサス ケン・ローチ映画と人生」ルイーズ・オズモンド

カンヌの授賞式で語られた「映画の伝統の一つは世の中に異議を唱え、強大な権力に立ち向かう人々に代わって声を上げることだと信じている」というケン・ローチのスピーチはほんとうに感動的なものだった。なぜならそれは、50年にもわたり、彼が貫いてきた信念そのものであったからだ。胸を引き裂かれると同時にふつふつと怒りがこみ上げてくる。映画という手段を用い、権力に正当に抗い続けてきた老監督の、不撓不屈の精神。その偉大さを何度も噛みしめる。

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ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生 | VAP