ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「青い眼がほしい」トニ・モリスン

自分の不幸の原因が、自分の容姿にあると思い込み、白人と同じ「青い目」が欲しいと渇望する黒人の女の子。その思いが無垢であるだけに、どうにもいたたまれず、胸が締めつけられる。「弱い者がより弱い者を虐げる」社会の中で、自己を否定して生きなければならないとしても、この世界に「美しさ」は存在するのだ。作者のトニ・モリスンは黒人女性初のノーベル文学賞受賞者。まるでブルースやソウルのように、この小説には、長い歴史の中で鬱積してきた、数えきれぬ人たちの魂のほんとうの叫びがあった。

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