ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「差別語からはいる言語学入門」田中克彦

谷崎潤一郎は著書「文章読本」の中で「言語は万能なものでないこと、その働きは不自由であり、時には有害なものであることを、忘れてはならない」と書いている。この本を読んで思うのは、差別語は、それ自体、そのものが差別的なわけではないということだ。ある言葉が、しかるべき時に、しかるべき場所で、しかるべき意図によって語られ、書かれると、それは差別となる。即ち、差別語とは、書き手の意志の問題なのだ。


筑摩書房 差別語からはいる言語学入門 / 田中 克彦 著