ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「馬々と人間たち」ベネディクト・エルリングソン

小説も、映画も、動物の視点で描かれるだけで、見えてくるものがまったく異なる。猫である我輩によって、人間社会の常識や慣習の化けの皮が剥がされたように、馬たちによって、人間のどうしようもない性が浮き彫りになっていく。傲慢で偉そうな人間も、こと「生きる」という切なさや滑稽さにおいては、馬となんら変わらない。かつてないシュールさで人間の内面を抉りだした怪作だった。


映画『馬々と人間たち』公式サイト