ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「ゴーン・ガール」デヴィッド・フィンチャー

虚像が、どのようにしてつくられ、その虚像と実像の狭間で、いかに人間の精神が蝕まれていくのかを、一級のエンタテインメントに仕上げたデヴィッド・フィンチャー監督の手腕はさすが。夫婦、家族、メディア、経済、法律。確かなものなど何ひとつなく、すべてが偽りで固められたアメリカ社会を、サスペンスフルかつシニカルに描きつつ、その陰に隠れたものを露わにし、真実をグサリ突いてくる。これはブラックコメディにして究極のドS映画。笑えないコメディほど恐ろしいものはない。


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