ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「海を感じる時」安藤尋

1978年、あの吉行淳之介が激賞した小説がついに映画化。深いつながりを求めれば求めるほど孤独はさらに強まっていく。そうした孤独に、観念はなす術もなく、身体は正直かつ敏感に反応する。安藤監督の「これは観念が身体に「負ける」物語」というコメントは、この作品のテーマを簡潔に言い表している。少女から、身体的な生き物としての女に目覚めていく主人公の、もがき、痛み、繊細な感情の揺れ動きを見事に演じきった市川由衣が素晴らしかった。


『海を感じる時』の作品紹介とあらすじについて