価値を数値化しない、というか、数値化できない、曖昧で、ちょっと胡散臭く、それでいて実はピュアな骨董の世界が好きだ。お店で「これいくら?」と聞いたら、店主が人差し指を立てて「僕はそれが1万か10万か100万か、まったくわからなかった」と仲畑貴志さんも語っている。そこにあるのは、なにを美しいと思い、なにを欲しいと思うか、という主観だけだ。所詮、値段は市場や他者の評価であり、たとえ騙されたとしてもまた一興。ちなみに、あんまり関係ないかもしれないけど、コストパフォーマンスって言葉、なんとなく下卑た感じがして、昔から嫌いです。