ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「昔々、アナトリアで」ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

ある殺人事件がきっかけとなっているものの、肝心なことを何も語らない寡黙な映画だった。私たちができるのは、容疑者を含め、捜査に参加する男たちの会話の中から、彼らがどんな人間で、どんな人生を送ってきたかを、窺い知ることくらいだ。そう、いとも簡単に歪められる真実を明らかにできるのは人間の想像力だけなのだ。今年のカンヌを制したジェイラン監督の最新作「ウィンター・スリープ(英題)」の日本公開もとても待ち遠しい。まだか。


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