ギャングがブロックごとに存在し、犯罪が蔓延している街・コンプトン。ドラッグの利権を巡って、黒人同士が殺し合う。そんな街から史上最強のテニスプレイヤー姉妹を誕生させた家族の実話を、最大限の敬意を払って、丁寧に描いたスポーツドラマ。結論。超一流の人間になれなければ、超一流のアスリートになれるはずはない。
ギャングがブロックごとに存在し、犯罪が蔓延している街・コンプトン。ドラッグの利権を巡って、黒人同士が殺し合う。そんな街から史上最強のテニスプレイヤー姉妹を誕生させた家族の実話を、最大限の敬意を払って、丁寧に描いたスポーツドラマ。結論。超一流の人間になれなければ、超一流のアスリートになれるはずはない。
国籍も、戸籍もない。それは決して珍しいことではない。生まれ故郷である祖国で育ち、結婚し、子を持ち、暮らすことが、当たり前ではない人たちが数多く存在していることを改めて思い知らされる。怖れはやがて、国家ぐるみの差別となり、差別は人と人を分断する。移民の国・アメリカに自由はない。家族と共に暮らしたい。ただ、それだけ。という秀逸なコピーが胸に強く強く突き刺さる。
復讐のバイオレンス・アクションかと思いきやそんな安易な映画ではなかった。人間は「突然の理不尽な悲劇」に襲われたとき、捌け口とする怒りや憎しみ、それを向けるべき相手を探してしまうけど、そんなもので心の傷は癒されない。この作品が、どこか幻想的な温かさに包まれるのは、単なる復讐劇ではなく、それぞれに心の傷を抱えた4人の男の心の救済と再生の物語だったからだ。それにしても、主人公のマッチョが、まさかあのマッツ・ミケルセンだったなんて! デ・ニーロも真っ青な七変化。
ひとりの男がカレーをつくる。たったそれだけなのに、過去も、現在も、未来も、彼の人生の、その周りの人たちの人生のすべてが浮き立ってくる、プロットも、演出も、もちろん演技力も、そのすべてがスゴイ。ある意味で、これ以上ないほどロマンチックなラブストーリーだった。そうだ。リリー・フランキーはとっくの昔に日本最高の俳優となっている。