わかる。人生は思い通りにいかない。大声をあげて叫ぶか、泣きわめくかだけの違いで、みんな同じような感情を抱えながら生きている。そして、大抵の場合、気持ちも理解してもらえない。その不器用さと純粋さがやるせなく、もどかしく、胸を打たれた。母の葬儀に踊りを捧げようとした「優しさ」がじわりじわりと沁みてくる。
わかる。人生は思い通りにいかない。大声をあげて叫ぶか、泣きわめくかだけの違いで、みんな同じような感情を抱えながら生きている。そして、大抵の場合、気持ちも理解してもらえない。その不器用さと純粋さがやるせなく、もどかしく、胸を打たれた。母の葬儀に踊りを捧げようとした「優しさ」がじわりじわりと沁みてくる。
寅さん18作目。寅さんは無自覚なのがいい。無自覚だから打算がなく、打算がないから人の胸を打つ。自分では誰かに何かをしているわけでもないけれど、それが誰かの支えになり、誰かの救いになるというのはとても感動的なことだ。
誰にも頼ることができず、誰にも頼られることがない。ほんとうの孤独の先にある、苦しみも、悲しみも、息苦しさも、想像することは難しいけれど、その美しさ、かけがえのなさはわかる。誰もが頼り、頼られることのできる、やさしい世界であってほしいと願わずにはいられない。