185分の壮大な叙事詩。どんなに政治が介入しようとも、どんなに社会が変容しようとも、どんなに絶望の淵に立たされようとも、夫婦はともに生きていく。人を思いやり、赦し、すべてを受け入れたときに訪れる、ささやかなしあわせ。これは、深い哀しみを抱えながら生きている、市井の人たちへの敬意ある賛歌。いやー、いい映画だった。心の底から感動した。
185分の壮大な叙事詩。どんなに政治が介入しようとも、どんなに社会が変容しようとも、どんなに絶望の淵に立たされようとも、夫婦はともに生きていく。人を思いやり、赦し、すべてを受け入れたときに訪れる、ささやかなしあわせ。これは、深い哀しみを抱えながら生きている、市井の人たちへの敬意ある賛歌。いやー、いい映画だった。心の底から感動した。
80歳を超えて、こんなにも瑞々しい「恋」の映画を、軽々と撮り上げてしまう感性って! ニューヨークで繰り広げられる、コミカルでシニカル、オシャレで軽妙な「恋」の物語。ハリウッドから干されかけているウディ・アレンの映画がお蔵入りになるのはやっぱりもったいない・・・な。ニューヨークとジャズへの愛が炸裂。ティモシー・シャメラがピアノで奏でるスタンダードナンバー「Everything Happens To Me」が美しすぎる。
シリーズ14作目。久しぶりの寅さん。寅さんの優しさはその出自からくる悲しみの大きさと無縁ではない。手に負えるか、負えないかは置いておいて、想像する悲しみに耐えきれず、放っておけないのだ。思えば、寅さんはいつも、誰かを放っておけないがために、まわりを巻き込み、迷惑をかける。そして、赦される。つまり、みんな優しい。その繰り返しの物語なのだ。
運命は不思議だ。些細な出来事の重なりがすべてを変える。銃の乱射で不差別に人が殺されることが、もはや、フツウになってしまった時代にスター(偶像)であること。あり続けること。甘い蜜を吸おうとするギョーカイ人が、ペラペラのジャーナリズムを盾にした記者たちが、日頃の鬱憤を晴らすように騒ぎ立てる世間が、容赦なく彼女を責め立てる。ステージで叫ぶように歌うナタリー・ポートマンが切ない。