尊重してもらうためには相手を尊重しなければならない。人と人とが信頼し合うためには、年齢や性別、地位や立場に関係なく、互いに認め合う必要があるという当たり前を、この映画は思い出させてくれる。敬意こそが、世界を優しく、温かいものにするシンプルな答えだ。
尊重してもらうためには相手を尊重しなければならない。人と人とが信頼し合うためには、年齢や性別、地位や立場に関係なく、互いに認め合う必要があるという当たり前を、この映画は思い出させてくれる。敬意こそが、世界を優しく、温かいものにするシンプルな答えだ。
歳を重ねると、初恋の破壊力がすごい。人が人を想う気持ちを、ここまで純粋に、真正面からどストレートに表現されると、青臭いとか、恥ずかしいとか、そんなことはどーでもよくて、ずしん、と心に響いてくる。「BRUTUS」最新号もいっている。恋は、愛でも、結婚でもない。そのどれとも違う。恋は恋なのだ。
常に死と隣り合わせの漁師たちには絆と呼ぶだけでは生ぬるいような結びつきがある。1752年のロックンロール。彼らが奏でる野太いハーモニー、漁の無事や成功を祈願し、生を歓び、死を悼むために、永く口ずさまれてきた歌には、なんとも言えず、真に迫るものがあった。暮らしのなかに矜持がある。嗚呼、郷土を愛するって、こういうことだ。
フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて « アルバトロスフィルム
中川監督が「現代の寓話」と語ったその映画は、シンプルで美しく、そして、ささやかなラブストーリーだった。この不確かな世界の中で、唯一確かなのは、誰かを思いやる、純粋な優しさだ。足を引きずりながら一歩ずつ前進する青年と、記憶を留めることができなくなった女性。そのすべてが、切なくて、愛おしかった。高木正勝さんの素晴らしい音楽とともに。