とにかく面白い。のだ。ほとんど「完璧」と呼んでいいこの作品を目にし、世界の巨匠たちが白旗を掲げ、打ちのめされていることからも、この映画の凄さは窺える。娯楽性と芸術性が極めて高い次元で融合した大傑作。手に汗握る予測不能のエンターテイメントの根源に貫かれた「人間の尊厳」が強く強く胸を打つ。
とにかく面白い。のだ。ほとんど「完璧」と呼んでいいこの作品を目にし、世界の巨匠たちが白旗を掲げ、打ちのめされていることからも、この映画の凄さは窺える。娯楽性と芸術性が極めて高い次元で融合した大傑作。手に汗握る予測不能のエンターテイメントの根源に貫かれた「人間の尊厳」が強く強く胸を打つ。
魂が揺さぶられる。ほどの体験は、例えば100本の映画を観たとしても、ほんの数本だ。けれど、ケン・ローチの映画には、高い確率でそれがある。善良なる人々が虐げられることへの慈しみと強い怒り。一度は引退を決意した83歳の監督が、こんなにも「攻め」の映画を撮るなんて! 不条理に立ち向かい、声を挙げ、映画を信じるチカラ。この敬愛の念はどんな言葉を尽くしても足りない。
やっぱり、すごいなー。それは、カトリーヌ・ドヌーヴしかり、是枝監督しかり。これは、神から与えられたとしか思えないオーラを纏った女優と、映画に対する信じられないほどの実直さを持った監督が、出会うべくして出会った幸福な作品。超一流は言語や文化の違いをいとも簡単に超えていく。そして、脇を固めるジュリエット・ビノシュも、イーサン・ホークも、もちろん、素晴らしいのです。