ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「デトロイト」キャスリン・ビグロー

約40分。これでもかというくらい、執拗に、執拗に描かれる尋問シーンは、尋問というよりも、もはや拷問に近い。1967年のデトロイト暴動のさなかに発生した「アルジェ・モーテル殺人事件」を基にした映画が浮き彫りにするのは、白人警官が黒人を殺しても罪に問われないだけでなく、起訴さえされないという現代にまで根深く蔓延るアメリカの病理だ。映画史に残る「憎まれ役」を演じたウィル・ポールター。見事に演じきった、その怯えからくる狂気が差別を生むのだ。

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映画『デトロイト』公式サイト