ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「タンジェリン」ショーン・ベイカー

ゲイであれ、バイであれ、ノンケであれ、心にぽっかり空いた穴を埋めてくれるのは自分ではない誰かだ。この映画が感動的なのは、ロサンゼルスの片隅で生きるトランスジェンダーを、そのままプレーンに描いているからだ。恋をし、嫉妬し、裏切り、裏切られ、傷つき、癒される「日常」が、滑稽で切なく、そして、美しい。また、全編すべて iPhone で撮影されたというのがなんとも痛快。これぞインディペンデント。人の心を打つか、打たないか、それと予算はまったく関係ないのだ。

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映画『タンジェリン』公式サイト