ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「びんぼう自慢」古今亭志ん生

観客は、志ん生の落語を聞きに行くのではなくて、志ん生そのものを観にいった、というのはあまりに有名な話。素行の悪さで小学校を退学になって以来、落語家を志し、十数回の改名を重ね、その間、破門にされたり、借金取りに追われたり、死に損なったりと、その人生がまるごと落語。大器晩成。なぜ志ん生が「うまい」ではなく「すごい」と言われ、不世出の天才と称えられるのかがよくわかる。


筑摩書房 びんぼう自慢 / 古今亭 志ん生 著, 小島 貞二 著