ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

ある日、息子の付き添いで行った小児科の診察室から、若いお母さんが、赤ちゃんを抱えながら目を真っ赤にして出てきた。その後、ティッシュで鼻をかみ、一呼吸おいて、ニコッと満面の笑みで赤ちゃんに笑いかけた後、何人かに電話をし、その後、申し訳なさそうに頭を下げながら職場に連絡を入れていた。

子育ては不安との闘いだ。もう半年くらい前の話だけれど、あのお母さんと赤ちゃんはどうなったのかなと、今でもちょくちょく思い出す。

息子が4歳になった。

4年前の今日、ただただ無事に生まれてくれれば、とだけ思っていたはずなのに、成長するにつれて欲が出て、ああなって欲しい、とか、こうなって欲しいとか、ごく普通の毎日を送れている奇跡を、ついつい忘れてしまっている。

そんなことを考えながら、ケーキのロウソクを上手に吹き消せるようになった息子を見ていたら、泣きそうになった。