ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「料理歳時記」辰巳浜子

春夏秋冬。400種類もの旬の食材をとりあげた、その名の通り、料理の歳時記。「戦争の貧困のなかから、土と太陽の有難さを知り、命を守るすべを学び、死ぬ意味もわかりました」とは「食べられる野草」からの一節。これは、そんな心ある母たちの切実な思いが、日本の食文化を育んできたことがわかる名著だ。恥ずかしながら、「いのちのスープ」の辰巳芳子さんのお母さまが、こんなにも気骨のあるすごい人だったことを初めて知った。


料理歳時記|文庫|中央公論新社