ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「フューリー」デヴィッド・エアー

戦争。人を殺さなければ殺されてしまう最前線で理性を保つことなど到底できない。この映画の良さは、とにもかくにも殺し合いの描写に徹し、陳腐な善悪で戦争を語ろうとしていないところだ。極限状態に置かれた人間のモラルがいかに簡単に崩壊してしまうのかを克明かつリアルに描いた戦争映画。決して制作者を非難するわけじゃないけど、こんな映画が、今なお戦闘を繰り返し、止めようとしない国で作られ、娯楽として世界中で消費される皮肉に、やるせない気持ちでいっぱいになる。


映画『フューリー』公式サイト