ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「フルートベール駅で」ライアン・クーグラー

アメリカで幾度となく繰り返される白人警官による黒人への暴行事件。そうした事実をベースにしながら、この映画が真に優れているのは、人種差別以上の悲しみを描いているからだ。恋人と語らい、娘と遊び、母の誕生日を祝い、友人と笑いあう。そんな当たり前の「日常」が突然失われてしまう不条理に胸が締めつけられる。人間も、社会も、祈りも、あまりに無力だ。


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